懐かしい場所を通って

今日は仕事で外に出た。
会議が終わった後車に乗って帰宅する。
少し遠回りして帰った。
 
中学2年まで住んでいた所を通りたかったからだ。
 
あこがれのこの話をしながら友達と帰った道は
ほとんどそのまま残っていた。
突然片側2車線の大きな道が出現。この道は27年前にはなかった。
国体があったときにできた大通りだ。
違和感を覚えながらその道を通り抜けるとまた見慣れた道に戻った。
 
そのまま小学校の前も通ることにした。
大工事があっていて小学校の周りは更地になっていた。
どこに何があったのか なくなると思い出せない。
 
父が国鉄(現JR)の職員だったので
駅の近くの職員住宅に住んでいた。
小6からは近くの4部屋ある職員アパートに越したけど
小5までは2部屋しかないほんとに小さなアパート。
このアパートの周りの狭い所で同じアパートに住む友達と
遅くまで野球をしたり虫取りに精を出したりした。
父が亡くなる中1までこの地は私に取って唯一のプライベートエリアだった。
そのアパートは跡形もない。
道が変わったことでどこにあったのかさえわからなくなっていた。
 
そして駅近くの神社へ。
私たち夫婦はこの神社で結婚式の前撮りを行った。
特に思い入れがあるからと言うわけではないが
なぜかこの神社を選んでいた。
今の家からは10キロ以上離れているのに。
子どもの頃ここで相撲大会があったり子ども御輿があったり
私にとっては多少思い出のある神社ではある。
妻からすれば何の思い出もない所ではあるが
何も言わず賛成してくれた。
 
車から降りて2,3分歩いた。
周りは変わっても神社は変わっていなかった。
腹に何も入れなくても和服を着ることができたのに
カメラマンさんに「だいぶ入れたでしょ。」と言われて
2人で大笑いしたこと。
当時母子家庭だった妹の息子が私たちの子どもみたいに
写真撮影ではしゃぎ回っていたこと。
ついこの前のことのように浮かんできた。
 
10年前はこの幸せがずっと続くのが当たり前だった。
でも今はそれが壊れることが心配で仕方ない。